ホームインスペクションの現場の流れ
初めてホームインスペクション(住宅診断)を利用する人にとって、インスペクションの現場ではどのような流れでサービスを始まり、終わるものかわからいものである。ここでは、一般的なホームインスペクション(住宅診断)の現場での流れについて説明している。
ただし、現場の状況や個々の事情によって左右されることも多く、必ずしもこの通りに進められるものではないということも理解しておくべきである。
(1) 立会者の待ち合わせ
多くのホームインスペクション(住宅診断)において、待ち合わせは診断対象となる住宅の前、つまり現地となっている。しかし、これは必須事項というわけではなく、依頼者の希望等によっては現地から少し離れた場所でホームインスペクター(一級建築士など)と待ち合わせし、それから現場へ向かうということもある。
依頼者とホームインスペクター(一級建築士など)が面会した後に、その日に立会う人たちとも面会し挨拶を済ませる。現地集合の場合でホームインスペクターが依頼者よりも先に到着している場合には、ホームインスペクターがその日に立会う人たち、たとえば不動産業者や売主と先に挨拶を済ませていることもある。
(2) ホームインスペクション(住宅診断)の作業の流れの説明
実際に診断をはじめる前に、ホームインスペクターより作業の大まかな流れについて説明がなされる。
現場の状況によっても異なるが、建物外部(外壁や基礎周りなど)から診断をはじめ、その後に建物内部(室内の各スペース)へと調査を進めることが多い。床下や屋根裏の診断(インスペクション)も依頼している場合には、これらを最後に実施することが多い。
(3) ホームインスペクション(住宅診断)の開始
上記(2)で説明した順序で診断がはじまる。調査しつつも、途中で依頼者に対してホームインスペクターから説明が入ることもあれば、売主や施工会社に対してヒアリングを行う場合もある(特に新築住宅の場合)。
調査中に依頼者がホームインスペクターに気になる点などを質問して回答を得ながら進めていくこともできるが、ある程度、まとめて質問した方が効率もよく理解も深まることも多い。この点については担当のホームインスペクターに作業開始時に聞いておくとよいだろう。
ちなみに、床下や進入調査を実施する際には、ホームインスペクターは点検口周りをきちんと養生しておくはずだ。これは、床下の調査を終えて点検口から出てきたときに点検口周りを汚してしまうこともあるからである。
(4) 調査結果の概要の説明
一通りの調査作業を終えたのちには、ホームインスペクターより依頼者に対して調査結果の概要や重要な点などについて説明がなされる。こういったことは、調査の途中でも適宜なされることも多く、ホームインスペクターや現場の状況によって多少異なることがあることを理解しておこう。
(5)調査結果を報告書で受領
ホームインスペクション(住宅診断)を終えてから数日後には、その結果が報告書(レポート)にまとめられて届く。ホームインスペクション会社によっては、この報告書が別途費用になっているケースもあるが、後日確認することもでき、大変重要な記録ともなるので報告書は必要だと考えておこう。
もちろん、気になる点や不明な点については遠慮なく、ホームインスペクターに質問・相談を行い、できる限り疑問点を払しょくして、住宅購入やリフォーム、メンテナンスに活用するようにしよう。
執筆者
全国で第三者の一級建築士がホームインスペクション(住宅診断)を行うアネスト。新築・中古住宅の購入時やメンテナンス時などに建物の施工ミスや劣化事象の有無を調査することができる。