長期優良住宅の5年点検・10年点検を自分でやれるか

2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」をご存知でしょうか。一般の方には馴染が無いのは当然かもしれません。これは、長期間、住宅を良好な状態で保つための基準を設けたもので、この基準に適合した住宅を認定長期優良住宅と呼びます。

劣化対策や耐震性のほか、維持管理や更新が容易にできるか、プランを変更しやすいか、バリアフリー対応はどうか、省エネルギー性はどうかといったことなどについて、基準が設けられています。

長期優良住宅の定期点検

住宅を新築するときに、この長期優良住宅の基準に適合しているかどうかを書類確認するものですが、実は完成後のメンテナンスや定期的な点検(定期点検)のことまで考えられています。

長期優良住宅の認定を受けた住宅は、将来、5年や10年、15年、20年といった期間で定期点検をしなければなりません。

2009年に施行された法律ですから、もう既にその定期点検の時期に差し掛かっている住宅もあります。5年点検(定期点検)の時期になっているということですね。

この定期点検は、誰がすべきか規定されているわけではありません。長期優良住宅の所有者が自らしてもよいですが、建築の専門知識もなく適切に点検するのは無理がありますね。現実的にはその住宅を建築した住宅メーカーや工務店が行うか、ホームインスペクション会社に依頼することになります。

ここで考えるべきことは、定期点検の本来の意味です。住宅の点検(ホームインスペクションや住宅診断ともいう)は、その建物の劣化や新築時の施工ミスなどをできる限り早めに確認し、適切に補修などの対応をとることにあります。

人の病と同じで、住宅の抱える問題も「早期発見・早期対処」が肝要で、これが住宅の長持ちにつながり、欠陥的に維持管理・メンテナンスにかかるコストの総額を抑えることができます。発見や対処が遅れた場合、問題点が進行していくことで、被害が拡大し、気づいた時には大きなコスト負担のある工事が必要になることもしばしばあるものです。

その長期優良住宅を建築した住宅メーカー等は、立場上、新築時の施工ミス・不具合があれば、買主(所有者)には言い辛いものです。例えば、床下を点検して基礎に大きなひび割れ(クラック)が見つかったとして、その事実を所有者に報告すれば、「不安を募らせてしまうかも」「クレームを言われるかも」「何か要求されないだろうか」などと考える担当者や会社が少なくありません。

新築時の施工ミスだったことを隠したり、もしくは施工ミスではなく所有者の使用の仕方が悪いことにしたり、普通の劣化だと言ったりと誤魔化しにはしるケースもあります。

新築で購入したとき、建築中や完成時に住宅メーカー側が入れた検査以外に買主が第三者検査を入れていない場合には、長期優良住宅の定期点検の際には第三者のホームインスペクション会社に依頼するのは有効で安心できる手段です。

以下のページも「長期優良住宅の定期点検や5年・10年点検」に関して役立つ情報です。

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