ホームインスペクション(住宅診断)と後悔のお話

第三者のホームインスペクション(住宅診断)を始めて14年以上が経過しましたが、この間、ホームインスペクションを利用した人や利用しようとしてしなかった人などから、インスペクションに関するいろいろな後悔・失敗の話を聞きました。

ホームインスペクション(住宅診断)と後悔のお話

そういった話もホームインスペクションを利用するかどうか、いつ利用するかどうかといったことの参考になればと思い、以下にまとめてみます。

 

1.ホームインスペクション(住宅診断)をして後悔したこと

まずは、ホームインスペクションを利用してから、後悔した樋人の話です。後悔する理由は様々であり、同じ場面に遭遇してもよかったととるか、そうでないかは人それぞれですね。

  1. 物件の悪いところがわかりすぎて、気に入っていた物件をあきらめることになった
  2. 指摘事項の多い新築住宅で売主との関係が悪くなった
  3. 指摘がなく結果的に費用がもったいないと感じた
  4. リノベーションするのに床下や屋根裏の調査をしなかった

 

1-1.物件の悪いところがわかりすぎて、気に入っていた物件をあきらめることになった

ホームインスペクションをすることで、その住宅の良い点と悪い点が明らかになります。施工ミスや著しい劣化などがあれば、基本的には補修等で対応すればよいのですが、そういった指摘が多いと悪いところが気になりすぎて、購入を控えるという人もいます。

住宅購入前にインスペクションを利用する人の多くは、その物件を気に入っており購入したいからこそ利用しています。最終確認のつもりであることは多いです。

しかし、その最後の確認において問題がたくさん明らかになると購入を中止する人もいるわけです。悪いところを知ったからこそ購入をあきらめたという人のなかには、悪いところを知ってよかったと感じる人もいる反面、買いたい家を否定されたような気分になって後悔するケースもあるようです。

 

1-2.指摘事項の多い新築住宅で売主との関係が悪くなった

インスペクションをする側としても、不具合等の指摘事項が多いのはあまり良い気分ではありません。新築住宅で補修しなければならない指摘事項が多いと少し残念な気分になりますし、お客様(買主)が可哀想にも感じられます。

そして、売主の中には、指摘されることをあまり快く思わない業者もあります。施工ミスをしている本人であるにもかかわらず、指摘されて憮然としている人も存在しています。それでも、多少の指摘事項であればそれほど問題になることはないのですが、あまりに施工がひどくて指摘数が多い時には売主と買主の関係がぎくしゃくしてしまうことも稀にはあります。

もちろん、その原因は施工ミスが多くしてしまった売主や建築会社側にあるのですが、気を遣いすぎる買主のなかには売主との関係が悪くなったと後悔する人もいます。

しかし、施工ミスを指摘して補修してもらうことなく、入居してから被害にあったり後悔したりするよりもはるかに良いはずなのですが、、、

人の考え方はいろいろですね。

 

1-3.指摘がなく結果的に費用がもったいないと感じた

ホームインスペクション(住宅診断)を利用すれば、いつでも多くの指摘事項があがるわけではありません。新築住宅で施工品質がよければ、ほとんど指摘のない住宅もあります。また、中古住宅で建物の状態がよい住宅もたくさんあります。

本来ならば、指摘が非常に少ない住宅は安心できるものですから、良いことなのですが、インスペクションにかける費用をもったいないと考える人もいます。せっかく依頼したのだから、何か見つけてほしいとお願いされたこともありますが、状態のよい住宅にはむしろ良い評価を与えたいものです。

 

1-4.リノベーションするのに床下や屋根裏の調査をしなかった

中古住宅を購入後にリフォームする人は多いですが、内装・下地材・設備などを解体撤去して、ほとんどすべてを変更してしまうような工事(リノベーション)をする人もいます。そういう人にとっては、建物の主要構造部の状態こそが重要です。

内装や下地材は撤去するので、傷んでいても問題はありません。設備もそうですね。しかし、変更を加えない基礎や土台、柱、梁などの状態こそきちんと確認しておきたいものです。主要構造部に大きな問題を抱えたまま多大な資金を投資してまでリノベーションするのは得策ではありません。

しかし、リノベーションすることをホームインスペクション会社に伝えず、またインスペクションのコストを抑えるために、床下や屋根裏のような主要構造部を直接確認できる箇所の調査を依頼せず、内装や外装、設備の調査のみをしてもらう人がいました。

これは投資したインスペクションの料金が、あまり役立たないことになり、もったいないですね。インスペクションを利用する目的を明確にして、利用する必要があります。

 

2.ホームインスペクション(住宅診断)をしなくて後悔したこと

ホームインスペクション(住宅診断)を利用しなくて後悔したこととは、つまり利用すべきだと思ったということですね。

  1. 売主を信用していたのに、入居後、不具合が次々発覚した
  2. 購入後のリフォーム業者の現地調査で補修すべき範囲が多く予算オーバーになった
  3. 売主の瑕疵担保責任がない物件を買ったのにインスペクションしていないかった
  4. 隣の区画を購入した人が購入前のインスペクションで出た指摘をたくさん補修してもらったと聞いた

 

2-1.売主を信用していたのに、入居後、不具合が次々発覚した

売主を信用してホームインスペクション(住宅診断)の利用を取り止めたという人は少なくありません。そして、購入後や入居後にその判断を後悔しているという人もまた少なくありません。

「売主の対応が良いから」「売主側で第三者検査を入れているから」「売主が大丈夫だと言っているから」という理由で売主を信用したものの、入居後に施工ミスが発覚して対応を求めても、急に対応が悪くなったり遅くなったりということは多いです。

このなかでも、「売主側で第三者検査を入れているから」という理由で買主側のインスペクションを中止してから後悔する人の事例が非常に多いです。売主や不動産仲介業者がいう第三者検査は、そのほぼ全てが簡易的な検査であり、細かな点まで広範囲に見ているものではありません。

 

2-2.購入後のリフォーム業者の現地調査で補修すべき範囲が多く予算オーバーになった

中古住宅を購入してから大規模なリフォーム工事をする人もいますが、引渡しを受けた後にリフォーム業者が見積りとのため現地調査をしたとき、買主が想定していなかった箇所の補修工事を提案されることはよくあることです。

その補修すべき点が軽微な工事で、それほど費用がかからないこともあれば、数十万円単位や100万円を超える工事を要することもあります。当初検討していたリフォーム予算を大きく超えることになってしまい、補修工事に投資するだけが精一杯で希望するリフォームをほとんどできなかったという人もいます。

購入前に第三者のホームインスペクション(住宅診断)を利用しておけば、事前に急ぎ補修すべき点としてアドバイスを受けられたものだとすれば、後悔するのも当然かもしれません。

 

2-3.売主の瑕疵担保責任がない物件を買ったのにインスペクションしていないかった

中古住宅の売買のなかには、売主が瑕疵担保責任を負わない条件で取引することもあります。築年数が古い住宅では特にそういったことが多いですが、築浅物件でもあることです。

売主が瑕疵担保責任を負わないわけですから、購入する前にその建物の状態をよく知っておかないと、購入・引渡し後に瑕疵に気づいても後の祭りです。当然、後悔することにもなりうるでしょう。瑕疵担保責任が付いていない物件を買うのであれば、購入前のインスペクションは必須だと考えておきましょう。

 

2-4.隣の区画を購入した人が購入前のインスペクションで出た指摘をたくさん補修してもらったと聞いた

新築の建売住宅を購入して入居してから、一緒に販売された分譲地を購入した人たちと交流していくなかで、購入前や引渡し前に第三者のホームインスペクションを利用したという話を聞くこともあります。しかも、その話の中で指摘事項が多くて売主に補修してもらったという話を聞くとどうでしょうか。

同じ会社が売主であり、同じ会社が建築した住宅となれば、自分の住宅にも何か問題があるかもしれないと思うこともあるでしょう。それから第三者のインスペクションを利用したところ、やはりいろいろと指摘があがり、売主に補修を要求したものの、指摘内容によって対応してもらえることと対応してもらえないことがあるとわかり、購入前に利用しなかったことを後悔するという話です。
何かについて後悔するかしないかは、人によって異なりますし、同じ事柄に対して抱く感想も人によっていろいろです。ここで挙げた事例を参考にして、自分の考えを整理しておくとよいでしょう。

 
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