ホームインスペクションの料金相場と費用だけでなく質と経験を考慮した業者選びのポイント

ホームインスペクションの料金相場と業者選びのポイント

住宅購入するときや新築・リフォーム工事をする際、また自宅のメンテナンスをするときなどに利用されるホームインスペクション(住宅診断)ですが、実際に利用するとどれくらいの費用がかかるのか心配になりますよね。全国にはたくさんのホームインスペクション業者があり、料金の設定も様々ですから悩みどころでもあります。

そこで、ホームインスペクションを依頼するとどれくらいの費用がかかるのか、その相場を紹介します。業者選びや利用するオプションの検討に際して参考にしてください。

ホームインスペクションの料金に影響すること

ホームインスペクションの料金相場は、対象物件の場所や診断サービスの範囲、オプションなどによって異なります。一般的には、以下の要因がその価格に影響があります。

対象物件の種類

対象物件が一戸建てであるか、マンションであるか、共同住宅(アパート等)の一棟全てであるか、また、新築か中古かといった種類によって料金は異なります。また、新築の場合、完成時に1回だけホームインスペクションを行うのか、着工時から完成まで何度も行うのかによっても大きな差があります。

建物の大きさ(面積)

対象物件の建物の大きさ、つまり面積はホームインスペクションの料金に深い関係があります。一戸建て住宅や共同住宅一棟なら、建物の延床面積(附属建物も調査するならその面積も含める)、マンションなら住戸の専有面積の大きさです。

一般的には、面積が大きいほど、料金が高くなるのですが、大きいほど調査時間がかかり、労力も増えるので当然だと言えるでしょう。

インスペクション範囲(調査範囲)

ホームインスペクションの対象範囲、つまりどこまで調査するかによっても料金が異なります。業者によって、調査範囲が異なることもあり、依頼前にしっかり確認しておく必要があります。

一般的には、基礎、外壁、軒裏、屋根、室内の床・壁・天井、住宅設備(キッチン・トイレなど)、建具(窓・玄関・室内扉など)といったものが調査対象となっていますが、屋根や外壁は地上やベランダから目視できる範囲で行うことが多いです。

床下や屋根裏(小屋裏)は、点検口から覗いで目視できる範囲で行うだけの業者と、オプション料金を支払って奥まで進入して調査してもらえる業者があります。こういったことも費用の差に影響しますね。

地域差

対象物件の地域によって、ホームインスペクター(住宅診断士)の報酬、つまり人件費に違いがあるため、インスペクションの料金相場も地域により違いがあります。やはり、東京、大阪などの大都市近郊の方が地方より高い傾向があります。

ホームインスペクション業者の実績・経験

ホームインスペクション業務を長く行っていて、調査実績が多い業者は、経験が少ない業者より高めの料金設定となっていることが多いです。専門知識だけではなく、多くの実績・経験をベースにしたノウハウ・技術力には付加価値があるから当然の傾向とも言えます。

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ホームインスペクションの料金相場(費用感はこんなもの)

ホームインスペクションの料金について、だいたいどれくらいの範囲であるか相場を紹介します。一戸建てかマンションかといった物件種別や建物の大きさ、オプションの利用有無などによって差があることが前提ですからご注意ください。

新築一戸建て(完成物件)・中古住宅

調査範囲料金相場
床下・小屋裏(屋根裏)を含まない5~7万円
床下・小屋裏(屋根裏)を含む8~13万円

新築一戸建て(建築中の複数回の検査)

条件料金相場
検査1回あたり5~7万円
完成時に床下・小屋裏(屋根裏)を含む場合+4~6万円

建築中の住宅検査では、依頼者の要望によって、1回~10数回の検査依頼をすることになりますが、一般的には6~8回前後の依頼が多いです。

新築・中古マンション(一住戸)

新築・中古の別料金相場
新築(専有部のみ)4~5万円
中古(専有部+共用部の一部)4~6万円

いずれの場合も、特別な専門機材を用いる調査などは、さらに別途で費用がかかることが一般的です。

ホームインスペクション業者を安さで選ぶと危ない

ホームインスペクションの料金に影響するものと料金相場を解説しましたが、ホームインスペクション業者を料金という数値だけで選んでしまうと後悔することになります。勘の鋭い人なら、料金に影響するものを読んだだけでも気づいていると思いますが、改めて安さで選ぶと危ない理由を紹介します。

サービスの質が低い可能性がある

料金が安いホームインスペクション業者は、調査範囲を最低限度だけのものに限定し、十分な時間をかけずに調査することが散見されます。また、調査後に提出される報告書も簡単なもので、後で見ても調査結果をよく理解できないものが多いです。

つまり、ホームインスペクション・サービスの質が低い可能性があるということです。

住宅建築やインスペクション関連の専門知識の不足

安くサービス提供している業者は、住宅の建築・設計やホームインスペクションに関する専門知識が明らかに不足していることがあります。既存住宅状況調査技術者という建築士なら誰でも取得できるレベルの資格があるだけで、知識が不足しているケースです。

なかには、建築士の資格すらもたずに営業しているような業者もあるので、十分に注意して業者選びをしなければなりません。

ホームインスペクションの経験不足

ホームインスペクションは、建築士なら誰でもできるというような簡単な業務ではありません。資格を取ったり講習を受けたりすれば、問題なく実施できる仕事でもありません。現場で様々な有益なことを経験できる仕事ですから、逆にいえば経験が本当に重要です。そして、そういった経験と実績に裏打ちされたノウハウ、調査マニュアルが必要なのです。

経験不足で営業している業者は、安い料金設定になっていることが散見されます。

以上のことから、ホームインスペクション業者を選ぶ際には、その料金だけではなく、サービスの質や経験、専門知識などの要因をしっかり考慮する必要があるのです。住宅購入は多額の費用がかかる重要な決定であり、適切なホームインスペクションは将来的な問題を予防し、資産価値を守るのに役立ちますから、安易な価格比較だけはやめておきましょう。

アネストのホームインスペクション

全国で第三者の一級建築士がホームインスペクション(住宅診断)を行うアネスト。新築・中古住宅の購入時やメンテナンス時などに建物の施工ミスや劣化事象の有無を調査することができる。