中古木造住宅のホームインスペクション事例(基礎ひび割れと断熱材)
ホームインスペクションのアネストで住宅診断した事例のご紹介です。
中古一戸建て住宅のホームインスペクション(住宅診断)で、対象物件の構造・階数は木造軸組工法2階建てです。診断時点では、比較的、築年数も新しく建物の内部・外部ともに一見したところでは特に問題は感じられません。
この中古住宅の診断によって見つかった指摘箇所の主だったものをあげます。
上記は建物の外部から基礎コンクリートを撮影したものです。写真の中央付近を縦方向にひび割れ(クラック)があるのがわかりますね。この住宅では、このようなひび割れ(クラック)が何箇所か確認されましたが、診断結果によるとそのほとんどが基礎表面のモルタルが収縮したことによって生じたと推定されるヘアークラックであり、大きな問題とはなりませんでした。
しかし、次の写真を見てください。
この写真は、床下へ一級建築士であるホームインスペクターが進入して調査したときに撮影したものです。建物外部側にひび割れ(クラック)があった箇所のうちの1箇所において、このような大きなひび割れが確認されました。
ひび割れの場所にもよりますが、最大で0.8mmの巾があり一般的な許容範囲を超えた大きさです。今回のケースにおいては、地盤の不同沈下が疑われる症状があり、これが原因となっている可能性があると考えられました。
他の主だった指摘としては、ひび割れ(クラック)とは無関係ですが、断熱材の設置不良がありました。
上の写真は床下側から1階の床下面を撮影したものです。白い部分は断熱材です。中央付近にある穴が床下点検口ですが、その点検口周りに断熱材が設置されていません。断熱材は隙間なく設置しないと十分に効果を発揮できないため、補修が必要な箇所だと判断しています。
今回の中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)の事例では、床下へ進入して調査したことにより重要なことがわかりました。こういった診断結果を購入判断に活用できるのは有意義なことですね。